当研究室では、化学実験と並んで、取得データの解析・理解に計算科学的手法(in silico)を用いています。数値データについて、数学的モデルとその定量的評価法を構築し、あるいは計算機を活用して科学的な解釈を加え、研究理論の深層真理解明を目指します。
具体的には、各種データのシミュレーション・フィッティング解析、量子力学計算、分子軌道計算などを中心に、薬学・自然科学分野への応用を検討しています。
Quantum Chemical Calculation
ab initio calculation
分子軌道法(molecular orbital calculation)、密度反関数法(density functional calculation)等の量子力学的手法(quantum chemical calculation)を用いて、分子構造(structural optimization)、エネルギー準位や自由エネルギー(free energy calculation)、イオン化ポテンシャルや電子親和力、電荷分布、スピン分布等、の物性解析を行い、特に電気化学手法により実測した電子移動特性と併せて、反応の詳細な解析を行います。
また、紫外可視吸収スペクトル、赤外ラマンスペクトル、NMRスペクトル等の予測を行い、生体内の薬物応答を含む各種反応予測を通じて創薬シーズの探索を行います。
- Gauss View (インプットファイル作成、結果閲覧) Gaussian(計算実行)
- Gaussian / Gauss View
- GAMES
- Paics / Paics View
initio calculation
ab initio calculation とは異なり、一部計算を実験値に基づいて行う計算手法のこと。容易に行える計算であるが、計算精度はab initioに劣る。
Nagara(統合環境)
- ドッキングシミュレーション
- ADT(インプットファイル作成、結果閲覧) AutoDock Vina(計算実行ソフト)
- Pymol(Python)/ Python Molecular Viewer (PMV)
- MGL Tools
- AutoDock Vina / AutoDock Tools
- 分子動力学計算 Amber / Amber Tools
ONIOM(our own N-layered integrated molecular orbital and molecular mechanics)法
複数手法を組み合わせるハイブリッド法であり、非経験的手法(ab initio)、半経験的手法(initio)、分子力学法 を組み合わせて採用する。タンパク質等の大きな分子の計算において、計算機リソースを節約しつつ、部分的に高精度な計算を実行したい場合に使用する。