生体内に取り込まれた医薬品の多くは、血液中に移行して患部や作用部位に運ばれ、薬効を果たし、或いは代謝分解され、体外に排出されます。

この薬理作用や代謝は、体内酵素や細胞機能等の生物機能を介して発揮されますが、各作用メカニズムの終端は、化学反応がその役割を担っていると考えられています。

例えば、薬理学における作用機序は、薬剤がその薬理学的効果を発揮するための特異的な生化学的相互作用を意味し、薬剤が特定の酵素あるいは受容体といった分子標的と結合して、化学物質をシグナル放出しています。或いは、受容体に結合しない薬物は、単に体内の化学的または物理的特性と相互作用することにより、対応する治療効果を生じます。

このように、薬理作用の反応機構は、終端の化学反応と関連付けて明らかとすることが重要であり、創薬研究の標準的なアプローチとなっています。

特に、薬理作用や生化学反応の終端で放出される化学シグナルは、ADPやATPなどの生体エネルギー、ヌクレオチド、アミノ酸等の小分子です。これらは、生体内分子変換により可逆的に変換される過程で、エネルギーを電子として授受することでシグナルを伝達する役割を果たしています。

そこで、当研究室では、この化学的アプローチを更に発展させ、電気化学・量子化学計算をハイブリッドした研究手法を用いて、薬学の様々な課題を解決するための研究を展開しています。

つまり、電気化学手法によって医薬品の電子移動(エネルギー移動)を詳細に解析し、更にその反応中間体を介した量子化学的特性を明らかとすることで、上記の薬理作用に関連するシグナル伝達の物理化学現象として理解します。

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