論文名「Electronic inductive and resonance effects of substituents on concerted two-proton-coupled electron transfer between electrogenerated superoxide and hydroquinone derivatives in N,N-dimethylformamide」がChemical Engineering Journal誌（Elsevier）に掲載されました。

生物のエネルギー転換反応であるプロトン電子共役移動（proton-coupled electron transfer: PCET）は、量子トンネルを介した高効率なエネルギー転換を実現しています。このPCETの中でも、酸素（O₂）の一電子還元体であるsuperoxide radical anion（O₂^•−）と還元型キノン（hydroquinone: H₂Q）の間の2PCETは、2つのプロトン移動（PT）と1つの電子移動（ET）が協奏することで、それぞれ単独の反応では観測されない大きな量子トンネル効果を生むことから、エネルギー・環境問題への技術転用が期待されます。当研究では、電解生成したO₂^•−とH₂Q誘導体間の2PCET反応に対する置換基の効果を調査し、置換基の持つ電子誘導効果と共鳴効果のそれぞれが、PCET反応に機能的に関与する様子を報告しました。

• Tatsushi Nakayama, Bunji Uno
• Chemical Engineering Journal, 2024,
• DOI. https://doi.org/10.1016/j.cej.2024.152201