協奏的2PCET反応を介するpiceatannolのスーパーオキサイド消去

論文名「Concerted two-proton-coupled electron transfer from piceatannol to electrogenerated superoxide in N,N-dimethylformamide」

ピセアタンノール は、フェノール系抗酸化物質の一種で、スチルベノイドおよびファイトアレキシンであり、白血病や非ホジキンリンパ腫に対して薬理効果を発揮することがin vitro研究で示されており、さまざまな疾患に対するマルチターゲット分子として有用です。特に、ピセアタンノールは活性酸素種 (ROS) を消去することができ、抗酸化剤として治療的役割を果たす可能性があります。しかし、ピセアタンノールの治療効果に関するメカニズムの洞察はまだ完全には実証されておらず、ROS を消去するための電子移動を含む化学反応を実証する必要があります。

病変や炎症性臓器の周囲で生成された ROS はいくつかの病態を直接引き起こす可能性があるため、ピセアタンノールの ROS 消去メカニズムを明らかにすることは、その薬効を解明するための前提条件であり、その構造類似体であるトランスレスベラトロールとの比較研究が盛んにおこなわれています。スチルベノイドの抗酸化活性は、OH の位置と数に関連する構造と活性または構造と物性の関係に関するさまざまなアッセイと方法論を使用して広範に研究されており 、スチルベノイドの電子供与能力が議論されています。さらに、実験データでは、OH が消去されるかメトキシ基に置き換えられると、分子は活性を失うことが示されており、OH はプロトン供与体であり、電子誘導効果を持つ置換基であることが示唆されています。したがって、ROS 消去活性は、個々の OH とスチルベノイド分子全体の抗酸化特性を表す OH の結合解離エネルギーとイオン化ポテンシャルを使用して評価されました。

その結果、ピセアタンノールおよび他のフェノール性抗酸化剤には、SOD活性、 一電子移動 (SET)、sequential proton-loss ET、水素原子移動 (HAT)、およびプロトン電子共役移動 (PCET) など、いくつかの ROS 消去メカニズムが議論されています。当研究では、これらの反応機構の可能性を踏まえ、ピセアタンノールとスーパーオキサイドの反応機構を調査し、またその機構がPCET反応であることを実験的に証明しました。

Concerted two-proton-coupled electron transfer from piceatannol to electrogenerated superoxide in N,N-dimethylformamide

お問合わせ

内容に関するお問い合わせ、共同研究の依頼、講演依頼、その他、ご質問はこちらより。